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リトアニアの旅3: 伴奏楽器も現場で知り
25日の私の曲の演奏は午後7時からなので、昼間はヒマだから、市内観光でもして、できればカウナスの杉原記念館の情報収集もして、なんてのんびり構えてたら、「午後3時か4時から会場でリハーサルがあります、良かったらおいで下さい」なんて主催者からメールが。ありゃりゃ、これはのんびりしてるヒマはない。外に出るのも面倒になって、お昼は持参の非常食イワシのカンヅメ。

ちなみにヨーロッパの旅では食糧事情がとんでもないことがよくあるので、私は必ず非常食をある程度持っていきます。特に今回は夜中に到着だったので、店もホテル内のレストランも絶対閉まってるし、自動販売機なんてないに決まってるから、

・200ml入りの紙パックの赤ワイン
・500ml入りのビール
・1L入りのダイエットトニックウォーター
・イワシのカンヅメ
・チョコバー
・カップヌードル(オランダの日清製)
・かっぱえびせん(香港製)
・機内食で出た真空パックの黒パンを持ち帰ったもの

以上を持っておりました。

部屋に湯沸しがなかったので、カップヌードルは無用の長物となりましたけど、
ほんと、ホテルの中には売店とか自販機はないし、近所にも(つか、どこにも)コンビ二はないし。
到着した晩はああ、つくづくこれだけ持っててヨカッタ~、と思いましたヨ。

さて、時間となり、徒歩で会場のフルクサス・ミニストリーへ。


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いい感じですねえ~
建物の周囲はこんな感じ:


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オフィス街って感じの所にいかにもアヴァンギャルドな会場が突然あります。
一体どうしてこういうものが存在できるのか。

あとでいろいろな話を総合した所、
これはもともと厚生省というか保健省というか、そういう役所があったところで(ゆえに「ミニストリー」)、その役所が移転して、この建物の持ち主が市の偉い人と友達で、偉い人が人気取りのために、この建物をアーティストにタダで使わせているんだとか。

しかし、建物をアーティストにタダで使わせることが人気取りになると観念されてるなんて、それ自体スゴイ!

しかし、その会場は5階でエレベーターは壊れてて(汗)

まあ、エコっちゃあエコなんだろうけど、
実はこれに限らずリトアニアで気になったことがあった。

「バリアフリー」という観念がどうやらまだ普及していないらしく。

歩道に段差や溝があって、スーツケース引っ張って歩くのが非常に難儀=車椅子では外出できない

英国だったら車椅子に乗ってる人が一人で出歩いていたり、知的障がいや発達障がい、あるいは明らかに精神障がいのある人にも毎日お目にかかるんだけど、アルコール依存と思しきホームレス風のおじさん数名以外はヴィルニュスでは全然お目にかからないんです!!

ウ~ン、英国では1990年代に「EU基準だから」ってことで、お店の入り口を完全バリアフリーにしたもんだったけど、リトアニアもEUなんだよね!?(汗)

この件について、その後仲良くなった人にぶつけてみた。
すると、
「ご指摘はおっしゃるとおり。ソ連時代は障がいは恥で、隠すもので、みんな施設に入れられていたから、今でもそういう気風が残っていて、だいぶ良くなってきてはいるのだけれど、まだまだ」
だそう。そうなのか。。。やはりいろんな人が目に入ってこない社会というのはナンだな。。。

それと、犬猫もあんまり見なかったんだよね。
滞在中猫は1匹、道を走って横切っただけ、
犬は何回か見たけど、まあ、ロンドンの多さには比べようもない。

アーティストには親切みたいだからっていいところばかりではないんだな。。。

で、ふうふう言いながら5階にあがると、やってました、リハーサル!

これがビルビーネ。クラリネットのようでありながら、木製の胴にプラスチックのマウスピースと何らかの角のベルが付いている:

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ここで初めてわかった、クラヴィコードのかわり、なんとフリーベースアコーディオン!!素晴らしい!!

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尺八とクラヴィコードの内省的なひそやかな音世界とは全く違う、ダイナミックで外向きの表現豊かな曲に変身したのを聴いて、オリジナルのの意図とは違うけれど、大感激! 言うことなし!

リハーサルが終わってみんなで食事に。リトアニアで初の外食。


リトアニアの旅3: 伴奏楽器も現場で知り_c0129545_12511198.jpg  魚とベークドポテトと温野菜。
このつけあわせ、スタンダードなのだと後に知りました。
こういう感じにビール1杯であわせて大体5~600円。安い。。。
ただし、出てくる量は少なめですね。
英国だと、値段も倍だけど量もこの倍ぐらい出てくる。
リトアニア方式の方が健康にはいいんじゃないかな。


 さて、おなかもくちくなったところで会場に戻ると、
なんと、5階から2階の会場に移動しますというアナウンスが。。。

なんでも他の部屋でダンスのレッスンがあるので、その音が邪魔になるからとか。
なんで、事前に確認しないのか、と思う私は日本人なんだな。

でも演奏が素晴らしければ全てよし!!


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他の曲ではハープも参加していました。
このハープのお姉さんが英語ができたので、通訳になってくれた。
アコーディオンの人は「ドイツ語ならできるんだけどなア」って。
今は英語を学ぶ人とドイツ語を学ぶ人がいて、昔はもちろん外国語といえばロシア語だったそう。


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 私のデジカメで撮ったビデオですので画質音質はいまいちですが。

「Nota Bene」(ノウタ・ビー二) ユミ作曲
アンサンブルの名前は「BAccK」
ビルビーネ: イルマンタス・アンドリウーナス
アコーディオン: ダニエリウス・ロゾヴァス



終わったあと、ソ連時代からの「シックな」レストランに連れてってもらいました。


リトアニアの旅3: 伴奏楽器も現場で知り_c0129545_12534916.jpg そこでいただいたのは、「コテージチーズのダンプリング」。
餃子そっくりの形でびっくり。
上に乗っているのはロケット(ルッコラ)。
さっきちゃんと夕食とったあとだったから、さすがに食べ切れませんでした。

<つづく>
by YumiHaraCawkwell | 2011-06-05 13:05 | Performance ライヴ関係のお話
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